風が、風の奏でる音に、季節のうつりかわりを、耳で聴くだけではなく、感触として肌で感じる、女の子リーニィの物語。優しいママンと二人きりで、パリに暮らす混血の少女リーニィの物語。
そんなある日のこと、鏡に映る自分の顔かたちと髪の色が街の子供たちとすこし違うことに気がつき、それがきっかけとなり、すこしずつ大都会パリの現実に目をひらかれていく多感な少女。いじめられることもあります。
めげそうになりながらも、そして、ママンがリーニィにも独り占めさせてもらえない一個の人間であることを知らされ、生きていくことの意味にめざめ、幼いとはいえ人生の節目に驚きをおぼえながら、生まれ育っ街大好きなパリで生きぬくことを心に決めるリーニィの成長の物語。
■著者プロフィール
京都ノートルダム女子大学教授。